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絶品のつまみと“お帰りぃ”に惹かれる東大阪の老舗角打ち

 近鉄奈良線・布施駅北口から徒歩2分、夕暮れの街にポッと輝く黄色い庇(ひさし)が印象的な『ヒザキ酒店』。年季の入った暖簾の奥からは、3代目店主・樋崎和雄さん(63歳)の妻、加代さんの「お帰りぃ」という元気な声が聞こえてくる。
 
 コの字型の角打ち台前のガラスケースには、新鮮な刺身用のマグロやカキ、鯨ベーコンなど色とりどりの食材や半調理されたつまみの皿が所狭しと並び、客らの目を惹き付ける。

「今日は何食べようかって、わくわくして楽しいよ。小皿がいっぱい並んでいるのがいいんですよ。週1、2回はふらりと来してしまう」(50代、営業)

「早いもん勝ちやから仕事終わったら急いで来る。眺めてるだけでも楽しいねん」(60代、小売業)と客らが絶賛するつまみは、季節の旬の食材をはじめ、常時20~30種類は並ぶ。

好みのつまみを選んで乾杯すればたちまち笑顔に

好みのつまみを選んで乾杯すればたちまち笑顔に

「お客さんが旨いって喜んでくれるのがうれしいですよね」と、もの静かだが、きびきび手を動かす店主が店の歴史を語る。

「昭和21年、戦後すぐ酒屋を始めて私で3代目。立ち飲みのお客さんがどんどん増えてきて、常連さんが店の飾りなんかも作ってくれはって。だんだんとこの形になりましてね。

 一緒になった当初、妻(加代さん)はまだ会社勤めを辞めて間もなかったし、うちは女系やったから、おふくろや妹もいて、やりにくかったんちゃうかな」(和雄さん)

「ようけ可愛がってもらったよね。料理の仕込みから買い出し、酒屋の仕事も、会社休みの日に教えてもろてなぁ。店入ってもう何年なるかな、年齢は秘密やねん、永遠の38歳いうてなぁ」といつも明るい加代さんの笑顔が店に華を添える。

3代目店主の樋崎和雄さんと妻の加代さんが夫婦で店に立つ

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