国内

辻政信の最後の足跡を追った外交文書が明かす「失踪の真実」

ラオスのプーマ殿下の証言を伝える外交公電(外交史料館所蔵、前田啓介氏提供)

ラオスのプーマ殿下の証言を伝える外交公電(外交史料館所蔵、前田啓介氏提供)

 戦後まもなく発表された手記『潜行三千里』や『ノモンハン』が70年近い歳月を経て復刻され、話題となっている元陸軍参謀・辻政信——(前者は『潜行三千里 完全版』、後者は『ノモンハン秘史 完全版』と改題して毎日ワンズ社から刊行)。

 辻は戦時中に「作戦の神様」と称賛された一方、戦後は「悪魔の参謀」「絶対悪」とまで非難された。その毀誉褒貶の激しい軍人としての経歴もさることながら、手記を発表すれば年間トップ10に2冊がランキングされるほどのベストセラー作家となり、さらに総選挙に電撃出馬すれば地元の石川一区でトップ当選、参議院に鞍替えしても全国区3位で当選するなど、話題に事欠かなかった。

 だが、そんな波瀾に富んだ人生を自ら断ち切るかのように、辻政信は単身、視察に入った東南アジアのラオスで失踪した。あまりに謎が多すぎる海外渡航だったが、その足跡を現地の日本大使館員らは必死で辿っていた。

 当時、それらの追跡記録は「極秘」扱いで、非公開とされていた。だが、外交文書は原則として作成から30年が経過すると公開される。辻政信の失踪に関する公文書も、外務省の外交史料館に保管されており、今では所定の手続きを踏めば閲覧が可能になっている。

 読売新聞文化部の前田啓介記者は、著書『辻政信の真実』の中で、その外交文書を詳しく検証している。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン