脱水症を予防するため朝は必ず水を飲むこと(写真はイメージ)
温泉などの施設では、のぼせるほど温まったら、水風呂に入ってクールダウンするルーティンを行う人もいる。サウナ愛好家の間では、「整う」などと表現されるが、これらの行為は安全なのだろうか。
「体力のあるアスリートならば、温浴と水風呂の往復が『温冷交代浴』として疲労回復につながりますが、動脈硬化が進んでいる高齢者が冷たい水に急につかると血圧が急上昇し、脳卒中を起こす危険があります」
水風呂につかると血管が急激に収縮し、血圧が上がる。血管がしなやかであれば血圧の上下動に対応できるが、そうでない人は血管の弱い部分が破れる危険があるというわけだ。高齢者に限らず、こうしたリスクを抱えている人は水風呂を避けるのが賢明といえそうだ。
また、高齢になると暑さを感じにくくなるというが、たとえ実感がなくても体温が上がれば熱中症にはなるため、より配慮が必要だ。
「熱中症は死の危険があるにもかかわらず、自覚症状を感じにくいことが問題です。入浴中に頭がぼんやりしてきたら、リラックスしているのではなく、危険のサインだと考えて湯船から出ましょう。入浴時は、冷たい飲料水を持ち込むのもいい」
どんな健康法も、やりすぎは逆にリスクとなる。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を肝に銘じたい。
※女性セブン2021年7月1・8日号