左後方の黒い額縁には優一氏が幼少期の頃の家族写真が収められている
とはいえ、読者がこう読み解いてしまったのには理由がないわけではない。優一氏はこれまで、父との間に見解の相違があり、週刊誌などでは対立構造で報道されてきた。
「メディアが対立を煽るのは仕方ないけど、父への尊敬と愛情が揺らぐことはないです。それとこれとは違う話なので」(優一氏、以下同)
対立する面はあるが、根っこの部分ではそれでも尊敬の念を失っていないのだという。
「アンチファンから色々言われるのはどうでもいいですが、僕の気持ちが曲がった形で父に伝わってしまうのだけは、嫌だったんです」
優一氏の工房の壁には、彼が父と母・河野景子氏に抱きかかえられた幼少期の写真が飾られている。普段、私がその写真を眺めていても優一氏が何かを語ることはないが、根底には両親に対する様々な気持ちがあるようだ。
優一氏のなかで父親への思いは、相反するものが混在しているのかもしれない。
■取材・文/西谷格(ライター)