ビジネス

ホンダはなぜ落ち目のシビックを作り続けるのか ブランド存続のラストチャンス

今秋発売予定の新型シビック(写真/ホンダ)

今秋発売予定の新型シビック(写真/ホンダ)

 ホンダ車の中で最も歴史の長いモデル「シビック」の新型(11代目)が今秋発売される。だが、日本ではすでに人気も落ち目になっているシビックをホンダはなぜ作り続けるのか──。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が、新型シビックにかけるホンダの想いと今後の戦略に迫った。

 * * *
 6月24日、ホンダは日本に投入されるCセグメントコンパクトクラスの世界戦略車「シビック」第11世代モデルの概要を発表した。今年4月に三部敏宏新社長が誕生して以降、SUV「ヴェゼル」に続く新商品攻勢の第2弾である。

 発売は今秋で、現時点では価格や詳細なスペックは未公表だが、ホンダは公式YouTubeチャネルで動画を公開。内外装、走りのシーン、また「爽快シビック」がテーマであったという開発責任者の言葉をはじめ、開発に関わった人々の思いが紹介されている。

新型シビックのアウトライン

 では、11世代シビックはどういうクルマなのか、まずはアウトラインを簡単に説明しておこう。日本市場に投入されるのはボディ後部にテールゲートを持つ5ドアハッチバック。アメリカで6月16日に発売が開始された4ドアセダンは日本には投入されない。

 ボディサイズは全長4550×全幅1800×全高1415mm、ホイールベース2735mm。現行の10世代ハッチバックとの比較では全幅は変更なし、ホイールベース(前輪と後輪の中心の距離)が35mm、全長が30mm延ばされ、全高は20mmマイナス。若干の違いはあれど、現行とほとんど同じディメンションである。

 ムービーで紹介されている11世代モデルの姿を現行モデルと見比べると、ほとんどキープコンセプトであることは一目でわかる。

 フロントマスクをはじめ細部のデザインは格上の中型セダン「アコード」と共通イメージにアップデートされているが、フォルクスワーゲン「ゴルフ」、トヨタ「カローラスポーツ」などのライバルに比べ、全長ホイールベースが長いという特徴は不変である。

 アメリカでは6月16日に新型シビックのセダン版が発売されているが、このハッチバックも5ドアというよりは普通のセダンの後方をなだらかにしてバックドアを付けた、いわゆるリフトバックに近い。主戦場がアメリカであることによるものだろう。

新型シビックの走行性能はどうか(写真/ホンダ)

新型シビックの走行性能はどうか(写真/ホンダ)

関連記事

トピックス

大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン