「オダジー(店主)とはウクレレを通して知り合った長いつき合い。俺たち夫婦の縁結びもしてくれた。愛想はないけど面白い。ロックな自由人だね!」(夫婦で常連の50代)
「高円寺の店からのファン。いまもときどきライブをやっていて、色んなミュージシャンとの出会いもあります。織田島さんは知らない音楽のことをいつも教えてくれる。物静かだけど、奥に熱いものをもっている、魂は熱い人」(20代、ウェブ関係)と慕われる店主は、ウクレレでロックを奏でるミュージシャンでもある。
「俺たちみんな音楽が好き、絵が好き、そういう共通なものがあって、仲間が集える場があるっていいよね。昭和を生きたものとしては、こういう昔ながらの情緒っていうか、いつもツウ好みの心地良い音楽が流れている店がいいね」(50代、自称芸術家)
いつのまにか、店内では、日本の伝説のファンクバンドのTシャツを纏った店主が嬉しそうに客らと音楽談義に花を咲かせている。
そんな父を静かに見つめながら息子の和音さんは「地元のお客さんに受け入れてもらって、父の音楽仲間たちも来てくれる。この町にまだまだ活気があるってことがわかって嬉しいですね。
居酒屋やっていた頃はすれ違いの生活だったけど、二十歳過ぎて父の働く姿を間近で見られるなんて、ある意味感動的!」と少し照れながら語る。
「この店は昭和の情緒と世界の音楽が調和した空間。こうして顔を合わせて飲める場所があるってことが幸せ。みんな年取ってきたしさ、ここは生存確認もできる僕らのステージだね」(60代、印刷業)と笑顔満面の客が、焼酎ハイボールをゴクリ。
「スッキリしていてエスニック料理に合う爽快さ。ほどよく酔えて、会話が弾む酒だね」(同前)
(2021年3月26日取材)