食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌(写真/AFLO)

食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌(写真/AFLO)

 とりわけイヤホンで細菌が増殖しやすい理由について、岡崎教授が解説する。

「イヤホンを着けると耳栓をした状態になります。密閉空間となった耳の中は暖かく、湿気を帯びていて、耳垢や皮脂などの栄養分に囲まれている。このような環境は、細菌の増殖に最適となってしまうのです」(同前)

イヤホンを通じて食中毒のリスク

「雑菌イヤホン」が引き起こすのは、耳に関連する病気だけではない。

「耳の中には『黄色ブドウ球菌』という細菌が存在する場合がある。この菌は食品に入ると強い毒素を作り出す性質があり、イヤホンを通じて手指に付着し、その状態で食品に触れてしまうと食中毒を起こすリスクがあります」(同前)

 特に梅雨時は湿気が多く細菌が繁殖しやすくなるため要注意だ。イヤホンによる病気を未然に防ぐためには、どうすればよいのだろうか。前出・井上院長が指摘する。

「長時間の使用はできるだけ避け、一度使ったらアルコール除菌ティッシュなどでイヤホンの表面をふき取る。先端のゴムの部分を取り外せるタイプなら、歯間ブラシなどを利用して掃除します。使用後はポケットやカバンに直接入れず、ケースに入れて保管しましょう。とにかく耳に接する部分を清潔にすることを心がけてください」

 岡崎教授もこう注意を呼びかける。

「イヤホンに触れた手も細菌まみれです。無頓着な方が多いですが、料理中にイヤホンを触るのは避け、イヤホンを使用したらできるだけ手洗いすることを習慣にしてほしいですね」

 耳に留めておかなければ。

※週刊ポスト2021年7月9日号

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