「高速無料化」の道遠く
五輪終了後には、首都高以外でも休日や時間帯によって渋滞が激しい区間を指定して値上げするなど、需要に応じた料金変動で交通量を平準化する改革が図られようとしている。
東京五輪で試される高速道路の渋滞緩和策はどんな結果を招くのか
さらに国土交通省は、日本道路公団の民営化を受けて2065年を期限(もともとは2050年予定)としていた高速道路の料金徴収期間の再延長や料金引き上げ案を示している。これで「高速無料化」実現は一層遠のくことになる。
「ただでさえ日本の高速料金は世界的に見てもバカ高いうえに、ガソリン代や税金など維持費の負担が大きく、マイカー族にとっては頻繁に遠出をできるような状況にありません。にもかかわらず、通行料金をさらに上げるようなことを繰り返せば、クルマ離れは一段と加速してしまうでしょう」(福田氏)
五輪後に待ち受けているのは、渋滞緩和の未来どころか「クルマ社会の崩壊」なのかもしれない。
●撮影/内海裕之