ちあきなおみ(写真/共同通信社)

ちあきなおみ(写真/共同通信社)

 芸能レポーターの石川敏男氏は若い頃、週刊誌の記者として全国各地を駆けめぐっていた。

「その土地土地でぶらっと酒場に顔を出していたから、いろんな思い出がありますね。北海道の襟裳岬に行った時に、森進一『襟裳岬』(1974年)を思わず口ずさんだりね。今でも仕事終わりに居酒屋で飲んでいると、頭の中に歌が流れてきて、歌詞にある襟裳の情景が心に響くんです。

 青江三奈『伊勢佐木町ブルース』(1968年)も、港の酒場の空気感を思い出してたまらなくなる。ある時、電気を消して真っ暗の中で焼酎を飲みながら聴いていたら、涙が出てきたことがあってね。歌を聴くと、その頃に自分が何をしていたかを思い出す。酒と歌は本当に切り離せないですよね」

あの人を思い出す時に

 歌は記憶や思い出と深く結びつく。16歳でデビューし、大映テレビ制作のドラマ『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)で大ブレイクした女優の杉浦幸は、20代にしてスナック通いをしていたという。

「20歳を過ぎてお酒が飲めるようになってからは、歌とお酒がワンセットで、必ずカラオケがある店に飲みに行っていました。ギラギラした派手なところは好きじゃなかったので、もっぱら落ち着いて歌えるスナック巡り。カウンターで飲みながら歌うのが好きでした。友達がスナックでキープしている焼酎のボトルを勝手に飲んだりしてました(笑い)」

 思い出の歌は大橋純子『たそがれマイ・ラブ』(1978年)だ。

「昔大好きだった女性の友達がいたんですけど、彼女がカラオケですごくカッコよく歌っていたんです。その友達は生き方もとてもカッコよくて、“私もこういう人になりたいな”と憧れていました。この歌を聴くたびに、彼女のことを思い出します」

 1980年代に巨人のクリーンアップを打ち、引退後は打撃コーチとして長嶋巨人を支えた野球解説者の中畑清氏。2004年のアテネ五輪では、脳梗塞で倒れた恩師・長嶋茂雄に代わって指揮をとった。

「酒にちなんだ歌といえば、思い出すのは北島三郎『函館の女』(1965年)だよ。キャンプの打ち上げの時、この曲がかかると、ミスター(長嶋)が浴衣姿でスキップしながらステージに上がってきて、音程を外しまくって歌って、その場をめちゃくちゃ盛り上げていた。

 この一曲で全員が陽気になれた。だからこの曲が流れてくると、長嶋さんを思い出す。酒を飲みながら、昔に帰ることができる。それが歌の良さだよね」

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