国内

オリンピックファミリーをよく乗せるタクシー運転手「勝手にやってろ、ですよ」

ホテルに到着し、車の窓を開けて手を振る国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=2021年7月8日、東京都内[代表撮影](時事通信フォト))

ホテルに到着し、車の窓を開けて手を振る国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=2021年7月8日、東京都内[代表撮影](時事通信フォト))

 東京五輪の開幕が近づくにつれ、「オリンピックファミリー」という言葉がニュースにたびたびのぼるようになった。当初はオリンピック運動を推進し、関係する組織団体など全体を指す言葉だったらしい「オリンピックファミリー」だが、今では国際オリンピック委員会(IOC)の特権をふるう役員たちや、協賛するスポンサーたちのことと受け取られている。俳人で著作家の日野百草氏が、お客さんとしてオリンピックファミリーにたびたび遭遇するというタクシー運転手に、五輪を迎える心境をきいた。

 * * *
「オリンピックファミリー、最近よく乗せますよ」

 4度目の緊急事態宣言が決まった雨の東京、神田駅近く、個人タクシーを拾いしばし雑談。初老の運転手がオリンピックファミリーを何度も乗せたと語る。

「昨日の夜は外人さんを2人、六本木ですね。あと銀座に1人」

 オリンピックファミリー、こうして聞くとなんだかマフィアとか秘密結社みたいだが、そもそも自分たちで名乗ったのだから凄い。

「コロナの前は(インバウンドで)外人さんなんて珍しくもなかったけど、最近は外人さん珍しいんで、ああオリンピックが始まるんだなという感じです」

 一応、タクシー運転手にも守秘義務なるものは存在するので詳細な個人情報を話したりはしないが、運転手さんは雑談程度のよもやまなら大抵話してくれる。取材先では必ずタクシーに乗るが、それは思わぬ情報が聞けるからでもある。

「どこの国の人かわかりませんが、恰幅のいい人でした。選手ですかね」

 さすがに選手ではないと思うし、彼らはむやみに都内を徘徊してはいないだろう(と信じたい)。乗せたのはオリンピックファミリーの中でも大会関係者、もしくは来日したスポンサー企業の関係者かもしれない。IOCは役員、選手や大会関係者で構成されるオリンピックファミリーにスポンサーも入ると明言している。

「あと先週は東京駅から豊洲の公園にも乗せましたよ。外人さんなんで選手村かと思ったらスルーでした」

 ぐるり公園は以前から穴場で酒が飲めた。選手村とは豊洲大橋を挟んですぐの場所だ。

「羨ましいですね、日本人なら怒られるんでしょうね」」

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト