競泳の池江璃花子選手らにSNSなどで出場辞退を迫る書き込みが行なわれたことに、「アスリートが責められるべきじゃない」と言う橋本聖子・現組織委員会会長は、こうも話した。
「選手が“ぜひやりたい”とすら言えない状況にある」
アスリートを五輪開催正当化に利用する発想が“父”と慕う森氏と同根である。
国民の「平和の祭典」に対する期待をしぼませた発言は多い。
丸川珠代・五輪相は、今年3月には「厳しい生活を続けている国民の皆さまの理解を得る」と語ったが、4月になると「IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長の『必ず開催する』という言葉は非常に心強く思っている」と語り、IOCに責任転嫁してみせた。
さらに、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長が国会で「パンデミックの中での五輪開催は普通ではない」と証言するとこう批判してのけた。
「全く別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらい」
国民には尾身証言のほうが実感に近い。丸川氏は自分が“国民とは全く別の地平”に立って開催を推進していることを自ら白状したに等しい。
IOC幹部たちも開催国の国民の気持ちを逆なでする発言を残してきた。トーマス・バッハ会長は東京で緊急事態宣言が発出された場合の開催についてこう語っていた。
「(緊急事態宣言は)五輪とは関係ない」
ジョン・コーツ副会長はもっとはっきり、「緊急事態宣言下での開催? 答えはイエスだ」と発言。IOCの古参委員でオリンピック放送機構会長を務めるディック・パウンド氏は「アルマゲドンが起きない限り大会は開催される」と言い切った。