ライフ

学習図鑑 1950年代から現在まで「よく見るとはこんなに変わった」

図鑑も時代と共に変化(2014年刊の『小学館の図鑑NEO 花』)

学習図鑑も時代と共に変化(2014年刊の『小学館の図鑑NEO 花』)

 1956年から刊行が始まった「小学館の学習図鑑シリーズ」。夏休みの友として親しんだ人も多いだろう。一見すると変わらぬ姿に安心するかもしれないが、その内容は大きく変化している。

 今は「パンダ」といえばジャイアントパンダを指すが、『小学館の学習図鑑シリーズ 動物の図鑑』(1956年刊)ではレッサーパンダを「パンダ」と掲載していた。19世紀後半にジャイアントパンダが西洋人に発見されるまで、レッサーパンダがパンダと呼ばれていた背景がある。

 このように時代によって種名が変わる場合があれば、消えた種名も。「メバル」は21世紀に入って消え、現在は「アカメバル」「クロメバル」「シロメバル」の3種に分類して掲載されている。

 学習図鑑では草創期から、植物を「季節」、「環境」、それらの「合体型」で掲載してきた。同じ科の植物でも開花期や場所が異なる場合があり、読者の利用しやすさを考慮してのことだ。

 だが、2014年発行の『小学館の図鑑NEO 花』では、最近遺伝子を解析してわかった新しい植物のなかま分けであるAPG分類体系を採用。学習図鑑の常識を破った。解説ページは進化した植物から始まって、徐々に原始的な特徴を残す植物になり、進化の道筋をたどれる。

 図鑑の図版はイラストから写真併用へと変遷してきた。なかでも植物は近年までイラストが主流だった。自然の中では単体で生えていることが稀で、写真では形がわかりにくいのが主な理由。

 ところが、デジタルカメラの登場などにより、斬新な白バック写真が採用されるように。「小学館の図鑑NEOシリーズ」では、『花』は白バック写真中心、茎や葉を含めた全体像を紹介する『植物』はイラスト中心にして、見せ方を工夫している。

 そうした中で、これら図鑑の中でしか見ることのできなかった生き物たちに出合い、その息吹を感じる──図鑑に入りこむようなデジタル体験型施設「ZUKAN MUSEUM GINZA」が東急プラザ銀座6階にオープンした。銀座の真ん中で大人も子供も夏休みを満喫してほしい。

●ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO
【住所】東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座6階
【開館】11時~20時
【休館】東急プラザ銀座に準じる
【入場料】大人2500円、中学・高校生1700円、小学生1200円、未就学児(3歳以上)900円

※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン