スポーツ

女子ソフト金メダル 宇津木監督「決断力」の背後にあった危機感

宇津木監督の采配もあり、優勝をつかみ取った日本

宇津木監督の采配もあり、優勝をつかみ取った日本

 ソフトボール日本代表が、27日の決勝戦で米国を2-0で下し、北京大会以来13年ぶりの金メダルを獲得した。渥美万奈の内野安打で先制し、藤田倭の右前打で追加点。その2点を大エース上野由岐子と鉄壁の守備力で守り抜いた。日本チームにとっては最高の結末を迎えた。その一方、2024年パリ大会では、野球・ソフトボールが再び採用種目から外れることが決定している。大胆な采配でチームを金メダルに導いた宇津木麗華監督が抱いていた危機感と決意とは――。

 * * *
 今回の東京五輪では、野球とソフトボールが合わせて一つの競技として扱われている。そのため、普段はプロ野球を中心に取材活動をしているが、今回は野球だけでなく、ソフトボールを観戦取材する機会にも恵まれた。野球取材では味わえない新鮮な驚きの連続だった。
 
 野球に比べコンパクトなグラウンドで展開される緻密なプレーの数々。スピーディな試合展開。DP(指名選手)やリエントリー(再出場)など、野球とは違う制度・ルールも面白く感じた。その中で何より心に残ったのは、宇津木麗華監督の采配の素晴らしさだった。

 結果が出なくても起用し続ける選手への信頼感。半面、調子自体が悪いと判断すればスパッとスイッチする思い切りの良さ。両者のバランスが絶妙で、特に投手継投の決断には、「このタイミングで交代するのか!」と何度も唸らされた。
 
 オープニングラウンドのイタリア戦。0-0で迎え3回裏の守り。宇津木監督は、初回からマウンドに上がっていた藤田倭が無死から二塁打を浴びると、すぐさま後藤希友へスイッチした。野球の試合の継投と比較すると、2テンポも3テンポも速い判断の仕方である。

 決勝の米国戦。6回無死から上野がその試合2本目の安打を許すと、後藤に交代。その後藤が緊張で本来の実力を発揮できないと判断すると、7回のマウンドに再び上野を送り込んだ。もちろんリエントリー制度があったため実現した策であるが、何と大胆な起用法だろう。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン