東京五輪の開会式の音楽を担当する予定だったミュージシャンの小山田圭吾が自身のツイッターを通じて発表した謝罪コメント(時事通信フォト)

東京五輪の開会式の音楽を担当する予定だったミュージシャンの小山田圭吾が自身のツイッターを通じて発表した謝罪コメント(時事通信フォト)

 1980年代の不良文化やワル自慢、1990年代の凄惨ないじめ事件の連鎖とアングラを中心とした不謹慎・不道徳ジャンルのことだ。拙文『小山田圭吾辞任でトラウマ蘇った30代男性の告白「いじめは校内犯罪である」』でも言及したが、一連の過去の悪行やその自慢が露呈して社会的に追い込まれる事態が、彼らがオリンピックという公の舞台に携わることを契機に頻出している。

「あんなのは自慢しまくったんだから自業自得だし、そもそも当時だって一般社会ではアウトです。でも芸人はいじめとか差別、暴力もギャグって時代がありましたからね。いきなりルールが変わるのは仕方ないけど、そのルールが過去にも当てはめられるとしたらヤバい。大物芸人だって戦々恐々でしょう」

 声なき声は確実にアップデートしている。テレビを含めたメディアも、そのメディアに携わる人間も急ぎアップデートしなければならない。保毛尾田保毛男、アダモステ、イヨマンテーズ――あくまで創作上のキャラクター、個人がノスタルジーに浸るのは自由だが公ではもう無理、メジャーな場でカウンターカルチャーを体現することは難しくなった。

「創作は創作で特定の被害者はいないのですから、いまやらなければいい話です。でも犯罪やいじめはまずい。芸人って若いころからやんちゃで、スクールカーストの強者だった人が多いでしょう、かつての被害者から暴露されたら大変なことになる」

 いじめという名の虐待も暴力も、やった方は忘れても、やられた方は忘れない。過去を忘れても、過去は追いかけてくる。

「過去とはいえ、そういう芸人はテレビから消えてもらうしかありません」

 A氏の言う通り、豪邸や高級車、美人を手に入れたとしても、過去の内容次第で一巻の終わり、もう社会はそうした悪を許さない。

「少なくともゴールデンでは無理。すでに何人か危険な芸人がピックアップされていると聞きます」

 いわゆる業界用語で「身体検査」というやつだ。メジャーな場や公的な場、CMなどでは起用の前に内々に調べることがある。アメリカではすでにハリウッドやファッション界を中心に過去を暴かれ、社会的に抹殺された大物もいる。芸人ではないがコーネリアスの小山田圭吾によるいじめという名の犯罪自慢は物議を醸した。韓国でもガールズグループ「APRIL」のイ・ナウンが過去のいじめ疑惑で問題となっている。

「それに同業の芸人や事務所だって、椅子とりゲームのために垂れ込んで足を引っ張るかもしれません。視聴者だって手ぐすねひいてます。いじめの被害者は多いですから、許せないとネットで拡散します。ネットを気にしないとは言いましたが、犯罪やいじめのようなリアルに被害者のいる場合は別です。まして社会人になってからなんて洒落にならない。そんなの使ったらスポンサーが逃げます」

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