自民分裂の可能性も
山崎:逆に自民党が分裂する可能性もあります。自公で過半数を割ったら、首班指名選挙で自民党が割れて野党と政権を取るという選択肢が出てきます。その場合、立憲は枝野(幸男)さんを担ぐのではなく、自民党の誰かを担ぐ。それを仕掛けるとすれば、かつて自民党を割った小沢一郎と中村喜四郎ですね。
亀井:ワルの集団よ(笑)。
藤井:あの時は私も彼らと一緒に経世会から出ましたが、実は清和会からも出てるんです。それが武村正義(後の新党さきがけ代表)です。だから当時は派閥横断で飛び出したわけです。
亀井:しかし、今の自民党には自ら行動を起こす若手がいないんだな。かつてのYKK(山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎)のように行儀が悪く、ゆえに迫力がある連中がいなくなった。
山崎:青年将校がいない。反乱軍がいない。そのリーダーがいない。
亀井:やる気のある人間はいるんだけど、たとえば彼らが尖閣に行きたいと言うから、「それはいいことだ。バックアップしてやる」と言ったんだけれども、「幹事長のところにお伺い入れてから行きます」と。ちょっとマシかなと思った連中もこうなっている。
藤井:たとえば河野太郎さんは次期総理候補に名前が挙がりますが、私に言わせてもらえば絶対ダメです。彼はあっさり安倍さんの考えに迎合してしまったから。
亀井:河野太郎もね、お爺さんの河野一郎(元副総理)、風貌から雰囲気からそれぐらいの迫力があればいいけどね。
藤井:河野一郎は大したものですよ。秘書だった息子の洋平さん(元衆院議長)に聞いたんですがね、「俺と会うなら酒飲まなきゃだめだ」とフルシチョフ(ソ連の最高指導者)に言われて、酒飲めないのにウォッカを飲んだんですよ。洋平さん曰く「半分死んでた」と。それで水風呂に浸けたんだそうです。それだけの覚悟があった。