“誰も傷つけない笑い”を届けようとする背景には、子供の頃に抱いていた将来の夢とも関係があるようだ。丸山が続ける。
「私はもともと保健室の先生になりたかったんです。10代の子たちにとって、元気がない時とか一休みしたい時、一番身近なところで行ける場所が保健室だと思っていたので。でも縁があってお笑いのオーディションでスカウトしていただけて、もっと多くの人を元気づけられるかなと思って芸能界を目指したんです。
なのでなるべく平和に、誰も傷つけないようなお笑いをやっていきたいと思っているんですね。やっぱりYouTuberや芸能人は誰かから見られたり誰かの目標になったりする存在だと思うので、私は誰かが喜んだり元気になったりするような自分なりのパフォーマンスをしていきたいんです」
さらに丸山は、こうした“誰も傷つけない笑い”で人々を楽しませるパフォーマーとして、渡辺直美に憧れを抱いてきたことを明かす。
「渡辺直美さんはコロナの自粛期間の時にYouTubeを始めて、『一緒にご飯を食べよう』という動画を配信されていたんですね。それを見て元気が出た人ってたくさんいたと思うんです。私も直美さんの動画を見てすごく元気が出た。なかなか友達に会えなくて、家にずっといなきゃいけない、という状況でそういう新しいことをできるのは素敵なことだと思うし、直美さんのInstagramのストーリーもすごく親近感が湧く内容で。
直美さんは私が中学生の頃からずっと活躍なさっている方で、ああいう風になりたいなってずっと思っていたんですよ。直美さんのステージを見て真似してみたこともありますし、自分の体を最大限に使って夢を追いかけていく姿からも勇気をもらってきたので、やっぱり直美さんは私にとってバイブルのような存在なんです。他の色々な方々ももちろん好きなんですけど、直美さんを見て憧れる気持ちがあったからこそ今の自分があるんですよね」
渡辺直美も、SNSの女王として10代、20代の女性から圧倒的な支持を得ている。その渡辺直美に憧れて新しい時代の笑いを生み出してきた丸山が、同じく若い世代を中心に人気を集めるのも必然なのかもしれない。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)