新型コロナは社会的な終息を迎えるのか?
では、今回のコロナ禍がどのような形で終息を迎えるのか──。残念ながら今のところ見通すことはできない。
ペストやスペインかぜが蔓延したときとは異なり、公衆衛生が進み、感染症対策が確立している。ワクチンや治療薬の開発も進み、近代的な医療インフラも整備されている。
一方で、航空等の交通手段が発達して、人々の移動がグローバルに迅速に進むことや、SNS等の情報伝達の手段も進み瞬時に情報が世界中に拡散されることなど、世界は小さくなっている。
ただ、根本的なところで人々の意識は昔からあまり変わっていないのかもしれない。感染予防策について頭ではよく分かっていても、「楽観バイアス」が働いて拡大防止策が疎かになるケースも増えている。
結局、感染拡大防止のためのインフラや技術を高めても、最後はそれを操る人々の意識次第なのかもしれない。
コロナ禍は、医学的な終息に至るのか、それとも社会的な終息に収まるのか。終息するとして、それらの終息はどのような形に落ち着くのか――これらは、これからの人々の意識次第といえそうだ。