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2021.08.23 07:00  NEWSポストセブン

憧れの甲子園のマウンドへ 女子決勝に臨む島野愛友利さんの思い

中学生の頃の島野愛友利選手(2018年撮影、写真/藤岡雅樹)

中学生の頃の島野愛友利選手(2018年撮影、写真/藤岡雅樹)

 雨とコロナにたたられたこの夏の甲子園は8月23日の第1試合「大阪桐蔭(大阪)対近江(滋賀)」が終わればようやくベスト16が出そろう。大会が佳境に向かう一方で、同日の17時から、同じ甲子園球場を舞台に開催されるのが第25回全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝だ。注目は中学時代、男子が中心の硬式野球・大淀ボーイズに所属し、日本一となった経験を持つ神戸弘陵のエース・島野愛友利(あゆり)さん(3年)である。

 3年前(2018年)の夏が始まる頃、大阪・淀川の河川敷で練習に励む中学3年生の野球少女と出会った。大淀ボーイズに所属していた彼女は、中学硬式野球という“男社会”で、ポニーテールに結った長い髪をなびかせ、地を這うような直球を投げ込んでいた。背番号は「1」。最速119キロで、このチームのエースだった。体の柔軟性を活かした投球フォームは、キューバの野球選手を想起させた。その投手こそ、島野愛友利さんだった。

「119キロというスピードは男子の中に入ると、たいしたスピードではありません。女子特有の柔軟性を活かし、低い重心からできるだけ打者に近づいてボールをリリースする。ボールの回転数を意識しています」

 中学生になって、彼女は一度、女子野球に飛び込んだ。しかし、よりレベルの高い野球がしたいという想いが募り、男子を相手に自分のボールが通用するのか試したい気持ちも捨て切れなかった。そこでふたりの兄も所属した大淀ボーイズに入団し、チームの練習だけでなく、野球塾にも通って独自の投球フォームを構築していた。

 島野さんの5歳上の兄は名門・大阪桐蔭で甲子園出場を果たし、1歳上の兄は大阪のもうひとつの強豪・履正社に入学していて、彼女は甲子園が身近にある環境に育っていた。
 
「甲子園に立ちたいと思った事はあります。だけど、女の子だし。どうやったって甲子園に立てないことは野球を始めた頃からわかっていた気がします」

 その年の夏が終わりに近づく頃、大淀ボーイズは数ある中学硬式野球リーグの垣根を超えて日本一を決するジャイアンツカップに出場する。東京ドームで行われた決勝で、最終回のマウンドに上がったのが島野さんだった。1死満塁のピンチを切り抜け、胴上げ投手に。一躍、日本で最も有名な女子野球選手となった。

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