坂東ハートクリニックの坂東正章院長
2か月に1度の診察では坂東医師から注意されてきたというが、自分の血圧の変動に気づけるようになったという。
「夏場はノルバスクを通常成人量の半分の2.5mgで上120~130の範囲でコントロールできている。冬はどうしても上がるので、5mgに増やして調整しています。
血圧をコントロールできているので減薬しても不安はない。高齢だから断薬しようとは考えていないので、服薬することにもストレスはない」
このように坂東医師は患者を減薬・断薬に導いてきた。成功の秘訣は、いかに患者がモチベーションを維持できるかにあるという。
「食事に限らず、患者さんごとに譲れない物事は必ずあります。それを“血圧に悪いから”と全面的に禁止するのではなく、一定のレベルで許容しながら、高血圧による合併症を発症させないよう注意していくことが高血圧診療だと考えています。ストレスを抱えてまで、何が何でも断薬すべきとは考えていません。断薬、減薬したい人は心おきなく話せる主治医を見つけることから始めましょう」(坂東医師)
断薬は決して一人ではできない。それを忘れずにいたい。
【プロフィール】
坂東正章(ばんどう・まさあき)/1953年生まれ。徳島大学医学部医学科卒業。元心臓血管外科専門医(循環器科・心臓血管外科)。2003年、徳島県で坂東ハートクリニックを開院。著書に『血圧は下げられる、降圧剤は止められる』など。
※週刊ポスト2021年9月10日号