笑顔を向けられる両陛下(撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下、親としての思い
安倍政権以降、遅々として議論が進まず、事実上実現は不可能とみられてきた「女性天皇」。しかし、愛子さまのご成人前という“滑り込み”のタイミングで菅義偉首相が退任を表明。次期総理のもとで、女性天皇実現に向けた議論が活発化する可能性もある。
さらに議論を先延ばしにできない事情もある。
「愛子さまが、今年12月1日に20才の誕生日を迎えられ、成年皇族の仲間入りをされます。現実的には、いつ愛子さまがご結婚され、現状のルールに則って皇室を離れられてもおかしくないのです。そもそも、将来があやふやなままで成人を迎えられる胸中はいかばかりでしょうか。早く結論を出すことが、政治の責任であり、タイムリミットが迫っているのです」(自民党関係者)
愛子さまが幼かった頃から、女性天皇実現はしばしば俎上に載ってきた。結婚される場合、降嫁で一般人になるのか、女性宮家の当主になられるのか、はたまた結婚にかかわらず女性天皇となられるのか—愛子さまは見通しが立たないながらも、立派に成長されてこられた。
「成長されるにつれ、ご両親のお立場やご自分の置かれた状況を自覚されるようになったでしょう。不安定なお立場でも、皇族としてふさわしい振る舞いを続けられることは、並大抵のことではない。
やはり、ご自身を厳しく律され、常に他人を気遣う父・天皇陛下の影響が大きい。愛子さまはお生まれになったときから、陛下の考え方に接されていますから、そういった振る舞い方を自然に身につけられたのだと思います」(宮内庁関係者)
議論が進めば、当然ながら、天皇皇后両陛下にも、政府サイドから内々にもご意見を賜る機会があるはずだ。
「両陛下は、愛子さまの将来を深く案じられています。天皇への道が開けるのならば、その重責をよくご存じのおふたりの胸中には、さまざまな思いが去来するでしょう。天皇皇后として、両親として、愛子さまのご意思を尊重すべきか、相当に迷われるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
9月6日午後、天皇ご一家が赤坂御所から皇居・御所への引っ越しに着手された。
「それまで降っていた雨が止み、空が明るくなりました。愛子さまは、両陛下とは別の車に乗られていました。黒髪をひとつに結ばれ、車の窓を開けて、小刻みに手を振りながら沿道の人たちに微笑みかけておいででした。まさに天皇家のお嬢様といった、圧巻のたたずまいでした」(前出・居合わせた人)
期待は高まるばかりだ。
※女性セブン2021年9月23日号
皇居・御所での新生活が始まった(2018年12月、東京・千代田区=写真/アフロ)
2020年の一般参賀の天皇皇后両陛下(写真/アフロ)