ビジネス

「悪いクチコミ消します」と営業をかける自称コンサル業者の悪質手口

突然「おたくの歯科医院の悪評がネットに」と連絡がきた(イメージ)

突然「おたくの歯科医院に悪いクチコミがある」と連絡がきた(イメージ)

「百聞は一見にしかず」とは、人から何回も聴くよりも、自分で一度、見るほうが確かだという意味のことわざだが、新型コロナウイルスの感染防止を考えると、自分で確かめに行くのが難しい。そんな情勢ではネットのクチコミ情報が便利なのだが、前提となっている「リアルな体験の投稿」を無視し、クチコミ評価を上げることができると営業している事業者がある。ライターの森鷹久氏が、クチコミ悪用ビジネスによる混乱についてレポートする。

 * * *
 飲食店はもちろんのこと、最近では病院や歯科、美容室など、多くの人が利用する場所について「クチコミ」がネット上に投稿されている。クチコミをまとめて検索したり閲覧できるポータルサイトや、地図情報と連動したサービスも複数あり、意識せずとも知らず知らずのうちの目にしている人も多いだろう。そこには実体験に基づいた信頼できる情報があると思われている一方、従業員が客になりすまして店の「良い」クチコミを投稿したり、そうした偽装工作を請け負う会社があると長く噂されてきたが、それは都市伝説ではない。

 コロナ禍の昨年末から今年にかけて、事業者たちに、ある「営業電話」がかかってきている。千葉県内の開業歯科医・本田貴之さん(仮名・50代)の元にかかってきたのも、クチコミに関する営業だった。

「うちの歯医者に悪いクチコミがついていると、都内のコンサル業者を名乗る男性から電話がかかってきたんです。言われてネットをチェックしてみると、確かにうちの歯医者について(費用が)高い、スタッフが無愛想、二度といかないなど、ネガティブな投稿がありました。男性は、それらを『消す』ことができるといい、そのためには費用がかかると言われました」(本田さん)

 本田さんの歯科医院についての悪いクチコミは、検索エンジンで医院名を検索すると最初にヒットするページに確認できた。地図サービスに付随した評価やクチコミをすることができるもので、本田さんはそこに掲載をしてくれと頼んだ覚えもない、と憤るが、電話口の男性はさらに畳みかけるように営業トークを続けた。

「このままだと客が来なくなる、医院が潰れてしまうと捲し立てる。クチコミを消すのにかかる費用も月に何十万円と高額で、一体全体どんな業者なのかさっぱりわからない。忙しいから、といって電話を切ったんです」(本田さん)

 ところがその電話の翌日、スタッフが発見したのは、さらに5個以上ついたネガティブなクチコミだった。本田さんの歯科についての評価は、全部で20件ほどだったのだが、たった1日で悪い評価だけが5個も増えていたのである。

 悪い評価が増えたタイミングが良すぎるとコンサル業者を疑っているところに、本田さんへ電話をかけてきたのは、昨日の男性だった。

関連記事

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン