水害への対処で重要になる「躊躇なき避難」
洪水や高潮の水害が3大都市圏を襲うと、場合によっては国家予算に相当する規模の国難となることをみてきた。
それでは、こうした水害にどう対処したらよいか。堤防の増強などの取り組みは専門的な知見を要するため、一般の市民が取り組める余地は少ないかもしれない。
一方、人的被害を少なくするのは、一般市民の取り組み次第といえる。水害が発生した場合の避難について、日頃から考えておくことが必要だろう。そのために、まずは自治体などが公表している「ハザードマップ」で、自宅や学校・職場などが所在する地域の水害の危険度を確認することが最初のステップだ。
そのうえで、水害の発生が予想される場合、「どこに避難するか?」「避難経路はどうするか?」などについて、家族とよく話し合っておくことが必要だろう。
巨大台風に備えて早めの避難が重要になる
そしてもし、実際に台風などで大雨が予想される場合には、躊躇することなく避難を始めることが大切だ。特に、ハザード地域の1階や低層階に住んでいる人は、水没や土砂災害の危険があるため、避難開始の判断がとても重要になる。
近年、気候変動の影響により、台風の勢力が増したり線状降水帯の発生が増えたりしている。都市部ではいつ大きな水害が発生してもおかしくないとされる。
今年の台風シーズンでどの程度の台風が日本列島に襲来するか予測がつかないが、この機に災害に対する日頃からの備えをしっかりと確認しておくことが大切だろう。