「服用のメリットより、副作用などのデメリットが大きいと考えています。
現在、私は高齢者施設で診療をしていますが、その年代で高脂血症の人はほとんどいません。悪く言えば栄養低下の始まりですが、高脂血症になるほど高栄養の食事をしていないのです。女性は特に顕著で、海外の論文では、LDLコレステロール値が100の人が10年後に心筋梗塞を起こすリスクを1とすると、200の女性が起こすリスクは1.1で、ほとんど差がないと出ています。
ただし、自己判断での減薬・断薬は厳禁です。必ず主治医に相談しましょう」
【プロフィール】
岡田正彦(おかだ・まさひこ)/1946年生まれ。新潟大学医学部医学科卒業。水野記念病院理事・水野介護老人保健施設長。LDLコレステロールの測定法を開発した第一人者として知られる。著書に『人はなぜ太るのか-肥満を科学する』など。
※週刊ポスト2021年9月17・24日号