芸能

映画評論家・渡辺祥子さん選ぶ80年代名作映画3本『クレイマー、クレイマー』など

『クレイマー、クレイマー』デジタル配信中、Blu-ray:2619円、DVD:1551円(発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)(C)1979 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.(2021年9月16日時点の情報です。最新情報は別途ご確認ください)

『クレイマー、クレイマー』デジタル配信中、Blu-ray:2619円、DVD:1551円(発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)(C)1979 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.(2021年9月16日時点の情報です。最新情報は別途ご確認ください)

 1980年代には、数え切れないほどの名作映画が公開され、映画ファンを大いに楽しませた。そんな80年代名作映画の中から、映画の専門会によりすぐりの3本をピックアップしてもらった。映画評論家の渡辺祥子さんが、どんな3本を厳選したのだろうか。

『クレイマー、クレイマー』(1980年)

「1975年まで続いたベトナム戦争で、出征した夫の代わりに女性が外に出て働くようになりました。その流れで女性の自立が叫ばれるようになり、自分自身の人生を見つめ直す女性が多くなったのが1980年代のこと。とはいえ、まだ女性が収入を得て暮らしていくにはハードルが高く、幼子を連れて家を出ることが難しい時代だったんですね。この作品では、そんな社会状況や女性の葛藤を反映しながら、残された父子が徐々に絆を深めていく過程が描かれており、心を打たれました」(渡辺さん・以下同)

【あらすじ】
 主婦・ジョアンナ(メリル・ストリープ)は、仕事人間で家庭を顧みない夫テッド(ダスティン・ホフマン)と息子を残し、自立のために家を出る。残されたテッドは慣れない家事や育児に奮闘しつつも、息子との絆を深めていく。しかし、仕事を得たジョアンナから息子を引き取りたいと要求され──。

『グロリア』(1981年)

「まず何より主人公の女性・グロリアがタフでかっこいい! 銃だけでなく知恵も武器にして、小さな男の子をマフィアから逃がすのですが、その子がグロリアのタフさに惚れちゃって、“オレが守ってやるよ”なんて生意気なことをいう(笑い)。それがかわいくて!! グロリアと男の子の間に友情が芽生えるのも痛快でした」

【あらすじ】
 子供嫌いの中年女性グロリア(ジーナ・ローランズ)が、マフィアの秘密を握る少年(ジョン・アダムス)を守るために奮闘する。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した。

【DATA】
監督・脚本/ジョン・カサヴェテス 出演/ジーナ・ローランズ、ジュリー・カーメン、ジョン・アダムス ほか

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト