今回の総裁選を機に両者の関係は逆転したと、ベテラン政治ジャーナリストは言う。
「福田達夫氏は三菱商事を退社後、父・康夫氏の秘書となり、総理になった際には首相秘書官も務めた。2012年に康夫氏の政界引退に伴い衆院選に出馬し当選したので、14歳も年下の進次郎氏(2009年初当選)より政界では後輩に当たります。
2人はともに若手議員のリーダー的存在で、対談本を出すなど盟友関係にある。進次郎氏が早くから脚光を浴びたこともあり、福田氏自身もかつては周囲に『まずは進次郎を支えて自分はその後で考える』と言っていた。小泉政権で官房長官を務めた後、総理になった父親の姿に自分を重ねていたのでしょう。
しかし今回、進次郎氏は派手に河野氏支持をぶち上げて長老たちにケンカを売った結果、党内の反感を買った。見通しの甘さで若手の間でも求心力を失い、しばらくは冷や飯を食わされるでしょう。一方、同じように党改革や派閥横断を訴えながら、その実しっかり長老たちにも恩を売ることに成功した福田氏のほうが、政治家としてはしたたかだったということです」
3代続けての総理の椅子が近づいてきたのもしれない。