個性溢れる5車種のSUV

 では、なぜ、ジープはこれほどの成功を納めることができたのだろうか。それには、いくつもの理由が考えられる。まず確実に言えるのはジープというブランドの揺るがない個性だ。

 そもそもジープというブランド名の知名度は抜群。そして、ジープは現在、日本において5車種を販売するが、そのすべてがSUVだ。しかも、すべてのモデルはジープのアイデンティティともいえる、縦のミゾがグリルに並んでいる。

 それでいて、5車種のキャラクターの違いもハッキリしている。欧州フィアットの生産で小粋な「レネゲード」、アメリカ製のコンパクトな「コンパス」、ジープ直系の武骨な「ラングラー」、ミッドサイズの「チェロキー」、ラージクラスの「グランドチェロキー」だ。

 しかも、これらのクルマを、2013年のグランドチェロキー、2014年のチェロキー、2015年のレネゲード、2017年のコンパス、2018年のラングラーというように毎年のように新型車を日本市場に投入してきたのだ。

ジープの人気モデル「ラングラー」(左)と「レネゲード」

ジープの人気モデル「ラングラー」(左)と「レネゲード」

快進撃を支えるディーラー網の拡充

 そんなジープのラインナップの中でも、レネゲードにはプラグインハイブリッド車(PHV)が用意されており、特に日本での人気が高い。一方、ラージクラスのグランドチェロキーは500万円台から購入できるとあって、「輸入車の大型SUVとしては値段が手ごろ」と、こちらも人気が高いという。

 さらに、ジープ直系のラングラーは2018年11月にフルモデルチェンジして、2019年暦年でモデル名別ランキングの16位、翌2020年は11位に。2021年1~3月では、5位に食い込んでいる。非常に人気が高いのだ。

 ジープの快進撃を支える理由は、他にもある。それが販売網の拡充だ。

 ジープは販売ディーラー網も過去5年で1.3倍以上に増やしてきたのだ。2016年は全国69あった販売網が、現在は95にも伸びている。しかも、店舗にCI(コーポレート・アイデンティティ)を導入してきれいになっている。製品だけでなく、こうした販売力の向上も成長の理由と言えるだろう。

2021年9月4日にグランドオープンした新店舗(ジープ札幌清田)

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