ビジネス

SUVのパイオニア「ジープ」 日本での販売台数が11年で13倍に増えた理由

10年ぶりにフルモデルチェンジされ、間もなく日本発売予定の新型グランドチェロキー

10年ぶりにフルモデルチェンジされ、間もなく日本発売予定の新型グランドチェロキー

 クルマのトレンドはSUV(Sport Utility Vehicle=スポーツ多目的)一色といっても過言ではないが、いま日本で最も売れている米国車が四輪駆動専門ブランドの「JEEP(ジープ)」だ。コロナ禍で輸入車の新車販売が落ち込む中でも右肩上がりの販売台数を堅持している。はたして人気の秘密はどこにあるのか──。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。

 * * *
 コロナ禍によって売り上げが不調だったのは飲食店ばかりではない。輸入車の販売も、当然のように緊急事態宣言下では向かい風となった。

 たとえば、2020年度の輸入車の新車販売の外国メーカー乗用車の販売は、前年比87.4%と12.6%ものマイナスとなった。2021年になって、ようやく上向いたとはいえ、1月~8月までの累計では外国メーカーの乗用車は、最悪だった2020年の117%。2019年と比べれば、まだまだマイナスとなる。

 しかし、そんなコロナの逆風にも耐えて、前年比プラスを守るブランドがある。それが「ジープ」だ。2009年からほぼ毎年のように日本市場でプラス成長を続け、2020年までの11年で約13.5倍もの成長を実現している。

11年連続で前年超えの成長

 ジープとは、1941年に軍用車として生まれた4WD車をルーツに持つブランドだ。現在のSUVのパイオニアとして80年を超える歴史を誇る。

 日本には1980年代からホンダのディーラーで「チェロキー」が発売されていたが、その後、ホンダが販売から手を引くと徐々に販売は低迷していく。そして、2000年代に入ると年間わずか2000台レベルに落ち込み、2009年にはとうとう年間1010台までに販売を減らしてしまったのだ。

 しかし、その2009年を底にジープは復活の道を歩み出す。翌2010年は1877台、2011年3154台、2012年4979台、2013年4929台、2014年6692台、2015年7132台、2016年9392台、2017年1万102台、2018年1万1438台、2019年1万3360台、2020年1万3588台──と、11年にわたって前年を超す成長を遂げてきたのだ。

 これほど、着実に販売数を伸ばしてきた輸入車ブランドは他にないだろう。現在、販売上位を占めるメルセデス・ベンツやBMW、フォルクスワーゲンも増減を繰り返しながら徐々に成長してきたのだ。

関連記事

トピックス

今年もMVPの最有力候補とされる大谷翔平(写真/Getty Images) 
《混迷深まるハワイ別荘訴訟》「大谷翔平は購入していない」疑惑浮上でセレブ購入者の悲痛、“大谷ブランド”を利用したビジネスに見え隠れする辣腕代理人の影
女性セブン
志穂美悦子との別居が報じられた長渕剛
《長渕剛・志穂美悦子についに別居報道》過去の熱愛スキャンダルの時も最後に帰った7億円豪邸“キャプテン・オブ・ザ・シップ御殿”…かつては冨永愛が訪問も
NEWSポストセブン
死因は上半身などを複数回刺されたことによる失血死だった(時事通信フォト)
《神戸女性刺殺》谷本将志容疑者が被っていた「実直で優秀」という“仮面” 元勤務先社長は「現場をまとめるリーダーになってほしかったくらい」と証言
週刊ポスト
「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)
“謝罪なし対応”の広陵高校野球部、推薦で入学予定だった有力選手たちが進路変更で大流出の危機 保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめると聞き、うちも…」
週刊ポスト
還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
NEWSポストセブン