そんな私に対し、櫻井クンが「いつも相葉がお世話になっています」と声をかけてくれたことは宝物のようなエピソード。『きょう発プラス!』(200~〜2006年・TBS系)のコメンテーターをしていたとき、櫻井クンが主演ドラマ『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢』(2005年・同)の番宣にみえたときのことです。
この話には続きがあって、それを相葉クンに伝えたところ、「そうですよ~、ぼくはメンバーに、美保子サンのことは彼女のことみたいに話してますから」と。こんなにも“出血大サービス”な文言をさらりと言えちゃうのが嵐(←もちろんほめてます)。
思えば2人の結婚報告文もパーフェクトでしたよね。共通の時候の挨拶から始まって、ファンの皆さんや関係者への感謝、世間への配慮などなど、優等生の嵐らしいコメントでした。
でも、「2人が結婚したのかと思ったよ」(松本潤クン)、「喫茶店で報告を受けたので、思わずコーヒーをおごったのを覚えています」(二宮和也クン)、「もうおじさんだから体だけは気をつけて」(大野智クン)というメンバーからのコメントによって、ほっこりさせたり、笑わせたりするところもまた、さすがでした。本当に仲よしの“いい子”たちです。
バラエティーでも爪痕を残すために体を張り、ゲテモノ食いにも挑戦
これまで何度も書かせていただきましたが、私は嵐5人が揃ったトークが大好きなんです。バラエティー用語では“引き芸”というのですが、決して、声を張ったり、自分が自分がという態度に出たりはせず、静かで落ち着いた雰囲気で展開。それぞれを“さんづけ”で呼び合うのも嵐ならではの上品な特徴です。しかも、キチンと役割分担がされていて、話す順番も、大体同じ。それをずっと見守っていて、入るタイミングを待って待って、最後に二宮クンが大オチをつけるのがパターンです。
もちろん、この黄金パターンが出来上がるには年月を費やしています。私は放送作家として日本テレビに多く出入りをしてきたので、『真夜中の嵐』(2001~2002年)の頃から、バラエティー番組での嵐の成長を何かにつけて見てきました。
当たり前のことですが、最初はまったくダメで……(苦笑)。でも、グループリーダー=大野クン、お勉強リーダー=櫻井クン、お芝居リーダー=二宮クン、アイドルリーダー=相葉クン、お笑いリーダー=松本クンと役割を決め、企画にチャレンジしてきたのです。
苦労人ではない王道アイドルの嵐にとって、そこで爪痕を残す必要があるのだろうかと見ていて気の毒になるようなこともありました。それでも、バラエティーでも存在感を確立するために、演出スタッフのリクエストに食らいついてきた5人です。やらなければならないことは、結構多かったハズですが、そんな中、“お笑いリーダー”の松本クンが本当に体を張ったり、ゲテモノ食いに挑戦したりしていたことは、『嵐にしやがれ』(2010~2020年・同)の“MJ”を作る土台になりました。