芸能

金子哲雄さんの妻・稚子さん 手元に残った遺品はアームバンドと眼鏡

金子さん

サイクリングが夫婦共通の趣味だったという金子哲雄さん(左)と妻の稚子さん(写真/2008年、稚子さん提供)

 家族の死後、葬儀、埋葬、相続などさまざまな手続きに追われ、生前に愛用していた品々に手をつけられないまま年月が経ってしまうことが多いという。形見をいかにして整理し、処分するかは、遺族にとっての大きな課題なのだ。

 終活という言葉が広く浸透していった2012年10月、テレビや雑誌で人気の流通ジャーナリスト・金子哲雄さん(享年41)が亡くなった。前年に希少がん「肺カルチノイド」と診断された哲雄さんは、闘病中に自らの死をプロデュースし、「実に見事な、終活のお手本」だといまも語り継がれている。

 妻で終活ジャーナリストの金子稚子さん(54才)は、闘病を支えながら、夫が進める終活をサポートしていた。

「夫が亡くなると、彼の指示通りに葬儀社に連絡をしました。葬儀はもちろん、仕出しの料理までほぼ計画通りにできたのですが、1つだけかなわなかったのは『遺影』。大きく口を開けた笑顔で、OKサインの写真が本人の第一希望でしたが、『さすがにこれは……』と葬儀社からダメ出しされ、別の写真になってしまいました。でも、そんなことも金子らしいなと思います」(稚子さん・以下同)

引っ越しの指示は、遺品を物理的に処分させるため

 遺品についても、処分するもの・形見分けをするものと細かく指示されていたが、稚子さんがクリアできなかったのは、葬儀から1か月以内に引っ越して住まいを縮小し、ネクタイなどの小物を処分することだった。

「それまでの住まいは事務所を兼ねていたため、私ひとりで生活するには、広すぎて維持できない。何とか頑張って四十九日を終えた後で引っ越し、荷物の多くを整理しましたが、細々とした小物はどうしても捨てられず、段ボールに詰めて持っていきました。

 夫は価値のないものだと思っていたのでしょう。でも、友人や仕事仲間のかたがたは、『哲っちゃんのネクタイがほしい』『使っていた文房具はある?』『本があったらほしい』などと、夫が実際に使っていたものを譲ってほしいと言ってくださいました。夫のことをとても大切に思ってくださっていることが伝わり、本当にありがたく、形見分けをしながら、逆に力をいただけたと思いました」

関連記事

トピックス

「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン