当然、日々のスキンケアにも、マスクの下にこそ気を配りたい。
「乾燥肌は外的刺激を受けやすく、保湿することで肌のバリア機能がアップします。シミ予防には、保湿力を高めバリア機能をサポートする『セラミド』成分が配合されたものを選ぶといいでしょう。
また美白作用のあるスキンケア用品には、トラネキサム酸やプラセンタエキスなどメラニンの生成を抑える成分が入っていたり、ターンオーバーを促す成分が入っているため、よりシミ予防につながります」(北岡さん)
摩擦が気になったり、紫外線を浴びたと感じるときは食べ物にもこだわりたい。
「紫外線や摩擦は活性酸素を生み出し、それが角化細胞を傷つけ、シミの原因につながります。ビタミンCが豊富なレモン、いちご、キウイ、ピーマン、パプリカ、ブロッコリーなどは抗酸化作用が高く、活性酸素の発生を抑えてくれます。
メラニンを生成する酵素である『チロシナーゼ』の働きを抑えるリコピンもシミ予防に効果的。トマト、すいか、グレープフルーツなどに多く含まれています。これらの食材は地中海地方やアフリカ大陸など、紫外線の強い地域でもよく食べられています」(花房さん)
活性酸素は摩擦や紫外線の刺激が肌に加わると、角化細胞ですぐにつくられる。
そのため、「ビタミンCたっぷりの果物を毎朝食べる」といった習慣的な食べ方をするよりも、「マスクの刺激を感じたら、次の食事にすぐ取り入れる」という食べ方の方がより効果的だ。
新型コロナのワクチン接種が進んだり、感染者数が減ったからといって、マスクを着けないという選択はまだ難しい。さらに、摩擦によるシミのリスクはマスクに限らず、メガネの鼻パッドや、洗顔やメイクをするときの刺激など日常生活のあらゆるところに潜んでいる。
いまできることを行って、シミも感染症も予防することがポストコロナ時代の常識だ。
※女性セブン2021年10月28日号