首都圏御三家で根強い人気の5校
中学受験の大手塾であるサピックス、四谷大塚の志望データを見てみる。両模試とも増えているのは、男子では麻布、武蔵、年々都内生でも志望者が増えている聖光学院など。女子では女子学院、フェリス女学院である。横浜共立学園、横浜雙葉はサピックスの数字は少ないが、四谷大塚では増えている。
個性的な校風が人気の女子学院(東京都千代田区)
奇しくも、麻布、武蔵、聖光学院、女子学院、フェリス女学院と、5校ともが個性的な校風で根強い人気がある学校ばかりである。
第一志望校はこの時期からはあまり変えないので、少なくともこの5校は本番でも前年より増えると見ていいだろう。もう一つこの5校に共通するのは、大学合格実績が好調だったこと。一時低迷していた武蔵も復活してきている。
開成は前年に続き減少しているが、この志望校調査の段階では開成OBである岸田文雄氏の首相就任が決まっていなかった。だが、就任後に開成人脈等の報道が出てきたことや、素晴らしい新校舎が出来たことなどから増える可能性がある。
校舎が建て替えられた開成。OBの岸田総理誕生で志望者数増えるか(東京都荒川区/開成学園HPより)
御三家に次ぐ難関校の動向
浅野、栄光学園はサピックスでは減っているが、四谷大塚では横ばいだ。浅野は今春の大学合格実績が急上昇したので、難化を予想して敬遠されたようである。試験日が2月3日だけに、こうした模試の志望状況を見て、変更する家庭が出てきそうである。
御三家が増加基調になれば次のレベルは減ってくる。海城、駒場東邦、早稲田はサピックスでは3校とも減(四谷大塚では海城、早稲田は増)、神奈川ではサレジオ学院が減で、逗子開成は増。吉祥女子、洗足学園は増えているが(2校とも四谷大塚でも増)、鴎友学園女子は減っている(四谷大塚では増)。
御三家に並ぶ豊島岡女子学園は横ばい(四谷大塚では減)。豊島岡は高校募集停止で人気が上昇するかと予想されたが、ここまで難化していると志望者に限りがあるのだろう。
千葉、埼玉の難関校は昨年が極めて例外な年で、2022年度はいずれも増加することを覚悟しておきたい。