タワーマンションは展望が良い部屋ほど”地獄”を味わう羽目に(イラスト/タテノカズヒロ)
車を止めて出ないのが正解
車で走行中に地震に遭うことも考えられる。道路には、驚いて車から出てくる人がいたかと思えば、パニックで蛇行運転したり、スピードを上げて逃げようとする人も。停電で信号機は停止し、あちこちで車同士がぶつかる衝撃音が聞こえ、道路上は混乱状態に陥るだろう。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌は、こう話す。
「震度6を超えると、道路の下から突き上げるような衝撃が生まれ、次に波の上で揺られているような感覚になり、ハンドルのコントロールが難しくなります。まずハザードランプを点灯し、ゆっくり減速して車を道路脇に停止させましょう」(和田さん)
看板などの落下物で、前に進めない場合は、頭を守るため、車の中で待機するのが賢い行動だ。
水族館の地下は超危険スポット
暗闇で段差がある映画館は、かなり危険な場所だ。非常照明が点灯するため、真っ暗闇にはならないが、そのせいでより危険な状態になる。
「最も危険なのは、出口付近で発生する将棋倒しです。非常照明がついた後は、出口に人が集中しやすい。少し様子を見ましょう」(国崎さん)
2001年7月に行われた兵庫県明石市の花火大会では、帰宅の混雑による将棋倒しが発生し、11名の死者が出る事態となった。
「体重の4倍以上の重さで心臓部や胸部が10分間圧迫されると、呼吸が停止するといわれています。20kgの子供なら、80kgの成人男性1人がのしかかるだけで、死亡してしまうのです」(国崎さん)
注意が必要なレジャースポットは映画館だけではない。
「水族館は海辺にある場合が多く、津波の危険があります。揺れを感じたらすぐに、地下階などから出て、高い建物に避難してください」(国崎さん)
巨大地震から生き延びるため、さまざまなシミュレーションをしておきたい。
※女性セブン2021年10月28日号