スポーツ

体操競技のAI採点 毎秒約200万のレーザーで選手の動きをスキャン

2019年の体操世界選手権で演技採点にAIが採用、国際大会では初の快挙だった

2019年の体操世界選手権で演技採点にAIが採用、国際大会では初の快挙だった

 より身近な存在になりつつある「AI(人工知能)」。スポーツの世界にも導入され始めている──。体操競技は採点規則を熟知した審判員が技の難易度や出来映えを評価した数値で勝敗が定まる。年々、技が高度化するにつれ、審判の目による公平な判定の難易度も増している。そこで導入されたのが、AI採点システムだ。

 富士通の開発したAI採点システムは、競技場に設置した複数台の3Dセンサーから毎秒約200万のレーザー光を照射し、選手の体をスキャンする。レーザー光の反射で体の形状を捉え、骨格の角度を解析することで、選手の動きと技のデータとをマッチング。男子800、女子500といわれる膨大な数の技を記憶させたAIに、選手が何の技を成功させたのかを判断させている。

「当初は『将来はロボットが採点する時代になる』という冗談のようなひらめきからスタートしたプロジェクトでした」(藤原英則・富士通スポーツビジネス統括部長)

 開発は国際体操連盟とともに進められ、2019年にドイツ・シュトゥットガルトで行なわれた世界選手権で初導入。あん馬、つり輪、男女跳馬4種目で演技採点に採用、高速で複雑な技をAIで判定し、国際大会では初の快挙だった。

 10月18日から福岡・北九州市で開催される世界体操選手権でも、つり輪や平均台などの種目の採点で使用される。

※週刊ポスト2021年10月29日号

競技場に設置された3Dセンサー。レーザーを照射して選手の動きを捕捉する。マーカーなしで動作をデジタル化できるのは、選手にとっても負担がなく画期的だった

競技場に設置された3Dセンサー。レーザーを照射して選手の動きを捕捉する。マーカーなしで動作をデジタル化できるのは、選手にとっても負担がなく画期的だった(撮影/内海裕之)

関連記事

トピックス

妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?(時事通信フォト)
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?「エンゼルス時代のようなセットポジションからのショートアームが技術的にはベター」とメジャー中継解説者・前田幸長氏
NEWSポストセブン
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
元セクシー女優・早坂ひとみ
元セクシー女優・早坂ひとみがデビュー25周年で再始動「荒れないSNSがあったから、ファンの皆さんにまた会いたいって思えました」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン