芸能

最終回目前『おかえりモネ』ヒロインは今までの朝ドラとどこが違ったのか?

その演技力は、ベテラン俳優、女優たちから太鼓判を押されている

『おかえりモネ』はあと2週間となった

 清原果耶主演のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』。10月末の最終回まで2週間を切り、今後の展開に注目が集まっている。コラムニストのペリー荻野さんが、今までの朝ドラとは違う『おかえりモネ』の魅力について綴る。

 * * *
 長年、NHKの朝ドラを見ていて、『おかえりモネ』は、これまでの作品とは何かが違うと感じてきたが、ここへきてやってとわかった。

 ヒロイン・百音(清原果耶)の話し方が、とても小声に聞こえるということだ。実際には、言葉はよく聞き取れるし、なんたって気象キャスターやラジオのパーソナリティになるんだから、話し方が落ち着いているのはいいことなのだが、妹の未知(蒔田彩珠)もまた、小声系なので、余計に静かな感じがするのである。
 
 先週、姉妹は大変だった。地元のラジオで天気予報を続ける百音は、数時間後、海が大荒れになると予測。船は次々戻ってきたが、百音の幼なじみで未知が思いを寄せる亮(永瀬廉)の船だけ安否不明になってしまう。心配でたまらない姉妹のところに亮の船の無事だったと連絡が入る。百音が「よかった…」「みーちゃん、港へ行って来たら」と声をかけると涙を流す未知は「ん…」と席を立つ。

 危機のあとの朗報。民放のお仕事ドラマなどであれば、ファンファーレのような元気な曲が流れて、登場人物が雄たけびのような喜びの声をあげ、ガッツポーズを作ってもおかしくない場面だが、このドラマの雰囲気は正反対。ふたりはまるで心で会話しているようだ。ささやくような姉妹の会話は、耳を澄まして聴く視聴者の胸をそっと打つのである。

 百音・未知姉妹の静かさに驚くのは、今、BSプレミアムで1979年の朝ドラ『マー姉ちゃん』が再放送されているからかもしれない。長谷川町子の『サザエさん うちあけ話』をもとに磯野家の母とマリ子(熊谷真実)、マチ子(田中裕子)、ヨウ子(早川里美)の三姉妹の日常を描くというこの物語。三姉妹はよくしゃべり、よく笑う。

 今週は一家が福岡から東京へ引っ越すという話なのだが、大勢にわーわーと見送られ、列車に乗った姉妹は「いよいよ東京へ行くとやねえ」「うちも東京へいくとやもん!!」と大喜び。このまま東京へ一直線…かと思ったら、途中下車して大坂城を見物して「お城って大きい」なんてことを言っている。のんきで陽気なのだ。他にも宮崎あおいの『純情きらり』、三倉茉奈・佳奈の『だんだん』など、個性的な姉妹が朝ドラにはいろいろ出てきたが、モネと未知のような、ささやき姉妹は新しいタイプだと改めて思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン