辛酸なめ子さんのおすすめの映画は…

佐藤さんの印象を語った辛酸なめ子さん

 そんな溝井さんは、佐藤さんとほぼ同時代を生きてきた女性として、本を読んでこう感じたという。

「大正から昭和初期に生まれた女性の多くが、結婚難でした。世は戦争真っ只中。『千代女外伝』にもあるように、女子は軍事産業に送り込まれない方策として結婚を急ぎ、乗り遅れた人は結婚ができなかったんです。運よく結婚できても夫を戦争で失う女性、合わない人と結婚した挙げ句、辛抱して添い遂げなければならなかった女性も少なくありませんでした。

 そんな中、佐藤さんは2度も結婚されてすごく経験豊富(笑い)。当時は離婚して実家に出戻ったら後ろ指をさされ、妹の縁談にも差し障りがあったくらいですから。容姿もさることながら家庭環境もよかったのでしょう。随分ご苦労されてきましたが、佐藤さんの生き方はわれわれの世代の中では実に自由で羨ましい」

 かくいう溝井さんも、数年前に夫が他界し、いまは自由を謳歌するおひとりさま。佐藤さんはヘトヘトの果に昏倒し、心臓検査を受けることになったものの当日の朝に桃を半分だけ食べてしまったがために延期になったことや、病院で物扱いされたことを憤怒の念とともに面白おかしく綴った。溝井さんはひとり暮らしは大変ではない?

「おかげさまで認知症には縁遠いけれど、80歳を過ぎたら腰やら背中やらが痛んできましたね。でも3食の調理と庭の手入れ、掃除洗濯は要領よくやっていますよ。脳も体も使わなくなったら一気に老いが進みそうで(笑い)。だからきっと佐藤さんも『ヘトヘト』とはいいながらも、達者でいらっしゃるのでしょう」

※女性セブン2021年11月4日号

溝井さん

“コンピューターおばあちゃん”こと溝井喜久子さん

 

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン