発足したばかりだがすでに雲行きが怪しい?
メディア各社の終盤情勢調査では「自民“単独過半数”は微妙な情勢」(FNN世論調査)など、自民党単独過半数(233議席)の攻防という分析が多い。そうなると自民は40~50議席減で岸田政権は発足からわずか1か月で赤信号が灯りかねない瀬戸際なのだ。
当落線上の戦いを強いられている自民党候補の陣営からは、「岸田総理が応援に来ても全く盛り上がらなかった。こんなことなら総理にバイデン大統領と握手でもしてもらったほうがよっぽど票になったかも知れない」との繰り言も聞かれるが、首相の外遊出発は投票締め切り後だから選挙の足しにはならない。
前回2017年の総選挙当日の経過を振り返ると、当時の安倍晋三・首相はすべての議席の当落が判明する前の午後10時頃から党本部の開票センターで報道各社のインタビューに応じ、その後はラジオなどに出演して私邸に戻ったのは日が変わった午前2時頃。翌日も午前11時から報道各社の取材を受け、午後にも党本部で会見を開いて選挙結果を総括している。岸田首相は今回、こうした流れの日程の途中で、機上の人となるわけだ。自民党が大勝した前回よりも接戦区が多い今回のほうが、趨勢が判明するまでに時間がかかると考えられる。
首相が英国に出発した後に確定することになるであろう開票結果が自民党の大幅議席減となれば、最悪の場合、帰国したら「総理の席」がなくなっていたという事態も。
英国行きは岸田首相にとって“早すぎる卒業旅行”になるのか。