ボケを外さないから「短い収録時間で済む」
40代だけでなく、20代や30代にも支持されているというのだが、これは松本の力以外にも、スタッフの尽力も大きいだろう。
「特に『水曜日のダウンタウン』はそうでしょうね。ただ、小さい頃からダウンタウンの影響を受けて育ってきたスタッフがなんとか2人に笑ってもらいたいと作っている面もある。また、浜田雅功さんがほとんどオンタイムで回すことは有名ですが、松本さんがボケを外すことがほとんどないので、短い収録時間で済むという利点もある。
一流のお笑い芸人でも収録中、百発百中でウケることはまずありません。半分くらいは外しているかもしれない。だから、漫才やコントなど事前に作り込んでおけるネタ番組は別として、アドリブの多いお笑い番組は生放送に向いていない。しかし、ダウンタウンの番組は収録でも、時間的には生放送みたいなものなので、スタジオの編集部分が少なくなる。スタッフとしてはすごくありがたいんですよ。特に、今は“働き方改革”で昔のように徹夜しまくることは推奨されません。そのことからも、時代に合っているのかもしれません」
10年以上視聴率不振と言われるフジテレビ、もともと高齢者向けの番組が多かったTBSにとって、“コア視聴率” を持っている松本の力は大きい。
「今夏、フジが総力を上げた2日間にわたる特番『FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~』で松本さんは“キャプテン”を務めましたが、世帯だと9.2%(8月29日)、8.7%(8月30日)と1桁でしたが、F2層は2日連続で10%を超えていました。今の時代、49歳以下の年齢層別視聴率が2桁に届くことはあまりない。
2日目は男女4歳から12歳のC層、13歳から19歳のT層でも同日のフジの中で1位でした。出演陣が豪華でしたし、松本さん1人のお陰ではないとはいえ、その中心にいたわけですから、フジは今後ますます松本さんに頼ることが多くなるでしょう。本当は、松本さんがよく『出禁になっている』とネタにするテレ朝もダウンタウンを使いたいでしょうね。世帯視聴率では日本テレビとトップ争いを繰り広げているものの、コア視聴率で他局に遅れを取っていますから」
まだまだダウンタウン、松本人志の時代が続きそうだ。