スポーツ

広岡達朗が断!「原監督は責任を取れ。フロントも同罪だ」

CSで意地を見せるか(時事通信フォト)

CSで意地を見せるか(時事通信フォト)

 プロ野球はセ・パ両リーグの優勝が決まり、いよいよクライマックスシリーズ(CS)で日本一を争う戦いが始まろうとしている。オリンピックを挟んだことで例年よりスケジュールが遅くなり、すでに街には寒風が吹いているが、そのうら寂しい雰囲気そのままなのが、セ・リーグ3位でCSに進んだ巨人だ。まだ日本一の可能性を残しているとはいえ、シーズン終盤は惨めな敗戦を重ね、終わってみれば借金1。ファンからも、「負け越しているチームが日本一になっていいのか」という厳しい声が聞こえてくる。

 プロである以上、成績がすなわち評価になる。敗戦の責任は監督やゼネラルマネージャー(GM)が負うのは当然で、二つの役割を兼務する原辰徳・監督に批判が向くのも致し方ない。現役時代に原氏とクリーンアップを組み、後に巨人コーチを経てDeNA監督を務めた中畑清氏は、巨人の終盤戦を寂しい思いで見ていたようだ。

「巨人が勝てなかった理由はたくさんあって、いろいろなことを言われているが、特に覇気のない、元気のないプレーが大きかったんじゃないかな。常勝球団・巨人がそういう姿を見せてはいけない。オレなら最後まで諦めない姿を見せるね。実はオレは監督時代に今年の巨人を上回る12連敗を経験しているんだよ。戦力がないことはわかっていたけど、それでも諦めないプレーだけはやり続けた。それは見ていればわかるから、ファンも一生懸命に応援してやろうと思ってくれる。巨人に欠けていたのはそこだよね。これでは応援してくれる人がいなくなってしまうよ」

広岡氏は弱小球団を率いて実績を築いた(共同通信イメージズ)

広岡氏は弱小球団を率いて実績を築いた(共同通信イメージズ)

 一方、V9の礎を築いた重鎮OBの広岡達朗氏はもっと手厳しい。原監督に「腹を切れ」と言い渡した。

「かつて水原茂・監督が日本一を逃して事実上クビになったように、巨人は勝って当たり前、リーグ優勝しても日本一になれなければ監督が責任を取るのが伝統なんです。オーナーは今年のチームについて、『昨年から戦力の上積みができていなかった』と苦言を呈しながら、『原監督は力を尽くしてくれた。信頼関係は変わらない』という。GMの仕事ができていないと言っているのに続投というのは訳がわからない。巨人は勝たないとファンが騒ぐから、いい選手をいっぱい取ってくる。勝って当然なんですよ。

 原にも『巨人で勝つのは当たり前。弱いチームで選手やコーチを教えて勝ったら名監督なんだよ』と言ってやったことがあるが、もう言うのも馬鹿らしい。かつて私が長嶋(茂雄・元監督)の後継者に推薦したのだが、今となっては恥ずかしいよ。

 巨人のために頑張ってきたピッチャーを次々と他球団に出してしまって、首脳陣の若返りだといってコーチを若い人に入れ替えただけ。そのコーチたちは、実績や実力があるわけではなく、ただ原が使いやすい人間を集めている。それだけ自分ですべてできるという自信があるのかもしれないが、信念のないコーチばかりで、どうやって一軍から三軍まで指導しようというのかわかりません。コーチは教えない、選手同士は張り合わない、今の巨人は最低の球団です」

 そのうえで広岡氏は、人気球団ゆえにマスコミやフロントが監督批判、采配批判を遠慮していることも問題視する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン