『凶母』(p2)

『凶母』(p2)

 ギャグジャンルからシリアスなミステリーものへの挑戦は、いままでの倉田さんの作品を知るファンからすれば驚きだ。自身のタッチでミステリーを制作することに抵抗はなかったのだろうか。

「親しい編集者に今回の原作を読んでいただいたら、『とてもいいと思うけど上手い人に描いてもらったほうがいいんじゃないですか』と言われました。でも、そこは開き直っています(笑い)。この絵で事件現場などの描写が出てくるのが、“違和感”として功を奏す部分があるのかなとも思っています。いままで、だめんずやもんぺ町を読んでいてくれた人に対するサプライズ的な意味もあります」

 今回の新作は『凶母(まがはは)~小金井首なし殺人事件 16年目の真相~』というタイトルである。その気になるストーリーは……。

【「殺されたはずの母親が、実は生きている…!?」ニセ霊能者・東郷高峰事務所へ相談にやってきたのは、16年前に起きた「小金井首なし殺人事件」の被害遺児・日佐川椿希(19歳)。街で偶然、殺された母親によく似た人物を見かけたという。親の死をきちんと受け入れていないことが原因と考えた東郷は、退行催眠でよく似た赤の他人だとわからせるつもりだったが、逆に椿希は「実の母親だった」と確信を強め、「もう一度、母親に会いたい」と想いを募らせる。しかし、数日後、椿希は首なし遺体で発見される──】

 16年前の未解決事件と現在の事件が奇妙なリンクをしつつ、ニセ霊能者・東郷が事件の真相を解明していくストーリー。二児の母でもある倉田さんに、『凶母』というタイトルの意味を尋ねた。

「サブテーマとして何か重いものがと思われるかもしれませんが……、それは読まれてからのお楽しみです。小金井というのもふと思いついたものですし。今回の作品は純粋な本格ミステリーを目指しました。

 渾身のミステリーなので犯人は誰なのか? もそうですけど、なぜなのか? というのがポイントになっているので刮目して読んで頂きたいですね。これまでの作品では1話8ページが最大でしたが、今回は1話24ページと一気に3倍のページ数になりました。毎月1話掲載予定ですのでお楽しみにしてください」

 五十にして天命を知る――ギャグから本格ミステリーへの華麗なる転身は、倉田さんの天命なのかもしれない。

【プロフィール】
倉田真由美(くらた・まゆみ)/1971年福岡生まれ。漫画家。一橋大学商学部卒。『だめんず・うぉ~か~』(扶桑社)でブレイク。テレビ、ラジオのレギュラー出演も多数。近著に『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず」(小学館)。新作『凶母(まがはは)』は、Renta!、コミックシーモア、DMMブックス、まんが王国ほか、各電子書店にて1~3話一斉配信中(以降、月1話配信)。

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