調整力の無さが露呈し総裁選で菅氏に負けたのが岸田氏だった
この経緯は、公明党のHPでも〈外出自粛や休業要請など社会・経済に広く影響が出ている状況を受け、公明党は全ての人への給付が必要だと強く主張。この結果、閣議決定された2020年度第1次補正予算案を組み替える異例の対応で一律給付が実現〉と誇らしげに説明されている。
「もともと岸田首相は一律給付を考えていたが、当時の安倍官邸が給付対象を限定する意向だったために自説を曲げてまで調整したのに、それが最後にひっくり返されてメンツは丸潰れだった。あの時に政治家としての政策実現能力、調整力のなさを露呈したことが、“ポスト安倍”としての存在感低下につながったことは間違いない。実際、その後、安倍首相退陣を受けて昨年9月に行なわれた総裁選では菅義偉氏に惨敗を喫しています」(前出・自民党関係者)
感染者は大幅に減り、新型コロナは収束に向かいつつあるように見えるが、コロナ後の日本経済復活のためには待ったなしの状況だ。限りある予算を使って、政府がどのような経済対策をまとめるのか、岸田首相の手腕が問われることになる。