給付は波紋を広げている
なぜ、自公政権下において、自民党よりも大幅に議席数の少ない公明党の主張が通り、巨額の予算が動かされるケースが珍しくないのか。前出の政治ジャーナリストが続ける。
「ひとつは支持母体である創価学会に支えられた公明党の選挙における組織力です。今回の衆院選でも公明党は比例で約711万票を獲得している。全国に小選挙区は289あるので、単純計算でひとつの選挙区あたり2万~3万票になる。今回の衆院選では、野党が多くの選挙区で候補者を一本化した結果、1万票以内で決着した選挙区が31もあった。公明党の“票の力”がなければ、自民党はここまで大勝できなかっただろう」
そうした組織力が、掲げた公約を実現させる原動力となってきたとする見方だが、その構図がいつまで続くかはわからない。今回の衆院選で日本維新の会が41議席と躍進し、32議席を獲得した公明党は衆議院における「第3党」のポジションを失った。維新や国民民主党といった保守系の主張も掲げる野党は、自民党の主張に対して“是々非々”で対応するとしており、自民党が連携を模索できる相手は公明党だけではなくなってきている側面もある。
世論から強い批判もある「18歳以下への10万円相当給付」がどのようなかたちで決着するのかとともに、政権の枠組みが今後どのようなかたちとなるのかにも、関係者の注目が集まっている。