全国の経済効果は数百億円レベルか
コロナ禍以降、北海道はコロナ感染拡大とインバウンド消失などですっかり元気がなくなっていた。最大の盛り場であるススキノは閑散としていたし、国際リゾートとなったニセコでも外国人の姿が激減した。
さらに、この秋は道東沿岸部における赤潮発生による巨額の漁業被害、そしてサケもサンマも不漁と、暗く厳しいニュースが続いていた。それだけに、「新庄劇場開幕」の衝撃は大きかった。
「ワクワク感、期待感で人々のマインドを一気に明るくしたのが最大のポイント。経済は何といってもマインドが重要なポイントになる。しかも、2023年には北広島市に建設中の新球場を含む“世界がまだ見ぬボールパーク”が開業するため、話題性が続く。
道内だけでなく日本各地から、新球場でのファイターズ戦観戦を組み入れた道内観光に訪れる人が増えるのは間違いない。コロナ次第だが、中国や台湾、タイなど北海道ファンが多いアジア諸国からのインバウンドが再び入ってくるようになれば、なおさら大きな効果が生じる。
事業を全国展開しているスポンサー企業も多く、関連効果も期待できる。ネットを含めたメディア登場の効果も合わせれば、北海道を含めた全国レベルでは数百億円レベル以上の経済効果がもたらされる可能性があるのではないか」(前出の経済ライター)
北海道の観光客数(観光入込客数=実数)は、コロナ禍の2020年度は3338万人で、前年度日36.7%減だった。外国人は「0万人」で244万人減と全滅状態だった。そんな状況が、直近はやや改善の兆しがみられる。
日本旅館協会北海道支部連合会がまとめた10月の宿泊実績(道内104施設)は、Go To政策を実施していた前年同月に比べると3割減だが、今年9月と比べると約7割増加した。
時短営業が続いていたススキノの飲食店は10月15日に約5か月半ぶりに時短要請が解除され、人出が戻りつつあるという。観光、飲食ともに長いこと厳しい状況が続いてきたが、ここへきてコロナ感染が落ち着き、ようやく少しずつ回復基調になりつつあるのだ。
それだけに、北海道経済に新庄効果が与えるインパクトは絶大だ。ファイターズの快進撃が続き、道内の観光、飲食業界が大いに沸く──。そんな日が来ることを願いたいものである。