とはいえ、瀬戸内海や北海道など全国的に海鮮グルメが有名な地域ならばいざ知らず、自分の住んでいる地域でどんな魚が捕れるのか知らないままスーパーの生鮮食品売り場に足を運ぶという人も多いだろう。“身土不二”を実現するために知っておきたいのが、各都道府県がそれぞれ「地元漁師が誇るおいしい魚」として魚介類を選定する『プライドフィッシュ』という取り組みだ。JF全漁連・水産物消費拡大対策室担当者が紹介する。
「各都道府県で春夏秋冬ごとに捕れる魚介類の中から3種類ずつ、計12種類までを選定できる仕組みです。サイズや水揚げ海域など4つの条件をくぐり抜けた選りすぐりの魚だけが選ばれる、その土地の漁師自慢のラインアップです。
プライドフィッシュの一覧は公式ホームページからも確認することができますし、スーパーマーケットの鮮魚コーナーでも取り扱いがある。プライドフィッシュのロゴシールが貼ってあるものが該当します」(同担当者)
気をつけるべきは塩分と糖分
人生100年時代、旬の新鮮な魚をたっぷり食べて健康長寿を実現したい。実際、厚生労働省の大規模調査によれば、魚介類を週に8回食べる人は1回にとどまった人に比べ、心筋梗塞の発症頻度が56%低いという。食べれば食べるほど健康になることをデータが指し示す結果となったが、摂取方法には注意すべき点もある。医学博士の佐野こころさんが解説する。
「例えばしらすは、手に入りやすく使い勝手もいいからこまめに食卓に取り入れたい一品である一方で、塩分が多いものもある。また、乾燥しらすはビタミンDがたっぷり入っているというイメージがありますが、これは天日干しされたもの。工場で熱風乾燥しているものもあります。“減塩”や“天日干し”といった表示をしっかり確認して、自分の体調に合わせたものを選びましょう」(佐野さん)
反対にイクラや筋子などの魚卵は一般的に「食べすぎると痛風になる」といわれてきたが、それは誤解だと柴さんは指摘する。
「たしかに痛風の原因とされるプリン体を多く含有していますが、プリン体そのものが尿酸値を上げる直接の原因ではありません。痛風患者のほとんどは、プリン体よりもアルコールの過剰摂取が原因です。魚卵は生命の源となる核酸を豊富に含んでいます。塩分にだけ気をつけて、積極的に食べてください」(柴さん)
海からのパワーをしっかりチャージして寒さに負けない健康な体をつくりたい。
※女性セブン2021年11月25日号