橋下徹氏(写真/共同通信社)
橋下氏が維新のカリスマなら、吉村氏は大阪のおばちゃんの“アイドル政治家”的な立ち位置を確立したという見方だ。
前出の辻元氏もこう言う。
「橋下さんの場合は人気があるが、アンチも多かったのでは。好き嫌いがあるんですが、吉村さんの場合は嫌いという人が少ない。言っていることは橋下さんも吉村さんも同じでも、受け止められ方が随分違うように感じます」
選挙区で維新に全敗した自民党候補たちも、「吉村氏1人に負けた」と受け止めている。
「維新の選挙事務所には大きく吉村知事の写真が掲げられ、地元のテレビにも朝昼晩、知事が出る。有権者は吉村さんに投票したいけど、できないから代わりに維新の候補に投票したわけです。私の得票や立憲民主、共産候補の得票は前回とほとんど変わらなかったのに、終わってみたら投票率が10ポイント上昇し、そのすべてが吉村支持票で維新候補に大差をつけられるという統計学的にあり得ないことが起きた」(自民党大阪府連幹部)
相手に論戦を挑んでねじ伏せる“喧嘩上等”の橋下氏、松井氏が率いてきた維新は、“やってみせる政治家”吉村氏が率いる体制へと世代交代を果たしたと言える。
※週刊ポスト2021年12月3日号