左から、テレビ東京政策局ドラマ室長の浅野太さん、同チーフプロデューサーの中川順平さん、同プロデューサーの濱谷晃一さん

左から、テレビ東京制作局ドラマ室長の浅野太さん、同チーフプロデューサーの中川順平さん、同プロデューサーの濱谷晃一さん(撮影/藤本和典)

崖の上での謎解きは2時間ドラマに必須?

中川:よく2時間ドラマといえば……という感じで崖の上の謎解きとかグルメとか旅情とかを取り上げられることがあるんですが、あくまで結果論としてであって、それありきではないんですよ。制作現場では純粋に物語を楽しんでもらいたいと思って作っています。

濱谷:ただ、正直言うと、視聴者のかたはそういう“定番”を期待しているんじゃないかということはあります。大いなるマンネリというか……。

浅野:そうですね。制作側としては目新しいもの、過去にはやってないことをやりたいという欲求は出てくるけど、『水戸黄門』もそうであるように、定番も必要で。これは2時間ドラマの“帝王”船越英一郎さんに聞いたのですが、監督や共演者と相談しながら決めぜりふを意識して作ったり、特徴的な表現をして“定番”を作ったりするそうです。だからキャラクターにも作品にも愛着が出てシリーズ化していくんじゃないでしょうか。

濱谷:そもそも崖が出てきたのは、1961年の映画『ゼロの焦点』で主人公がラストに犯人と対峙するシーンが最初だそうです。これは、松本清張の原作にはなかったものの、断崖絶壁で荒れ狂う日本海が主人公の気持ちを代弁してくれるのにふさわしいと大きな評判を呼んで、ほかも追随したとか。
なぜ流行ったかというと、やはり2時間に渡る謎解きですので、ラストの答え合わせは15分を超える長丁場に。その間、人物はほぼ動かないので、背景の絵力が必要になるんです。だから、普通の会議室よりも、崖とか屋上とか、抜け感があるところを選びたくはなります。先日撮影を済ませた『十津川警部』の現場では、主演の船越さんが「崖に行くなら神奈川のあそこかな」と候補を挙げてくださって、さすが!と盛り上がりましたね。

中川:一方で、いかりや長介さんが主演を務めた『取調室』(日本テレビ系)みたいに、ずっと取調室にいながら謎解きをしていくものもあります。お芝居が面白ければ背景の絵力はマストではないので、崖に限らずいろんな形があることを知っていただければ。

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