月額132万円と教えるとおじさん、ここに書けない悪口を言い出した。気持ちはわかる。そもそも木下都議、当選以降まともに仕事をしていない。体調不良を理由に都議会を4ヶ月近くも欠席し続け、11月9日に登庁したと思ったら「辞職しない」と意思の表明だけでまた体調不良の欠席を繰り返している。議員報酬は寄付(報酬は返納はできない決まり)、政務活動費は返納したそうだが、もはやそういう問題ではないとおじさんは語気を強める。
「みっともないから辞めて欲しいんだよ、自民党でいいよ」
次点の自民党の話がここでも出た。もっとも政党がどうこうより、この場合ただ木下都議に辞めてもらいたい、もう板橋の恥を晒してほしくないというのが率直な気持ちだろう。この取材は11月、繰り上げ当選は選挙期日(7月4日)から3ヶ月と決まっているためこの時点で木下都議が辞めたとしても次点繰り上げなしの欠員ママとなる。
悪い人には見えなかったんですけどね
「いい年して恥ずかしくないんですかね、辞めて欲しいですね」
ようやく活気を取り戻しつつある居酒屋、この大山商店街はハッピーロードの愛称通り、とてもハッピーで昼から酒が飲める幸せな場所である。店員の若者に話を聞く。
「なんとか辞めさせられないんですかね、リコールとかできないんですかね」
大学生とのことでコロナ禍は大変な思いをしただろう。それだけに許せない気持ちは痛いほどわかるが、残念ながら木下都議を辞めさせる術はない。なにしろそのリコールができない。当選から1年間は辞任の請求そのものができないのだ。
「政党も無責任ですよ」
都ファは早々に党員資格停止処分、のち除名としたが逆に木下都議は誰に文句を言われることなく都議でいられる状態になってしまった。自分一人で立ち上げた会派「SDGs東京」の代表でもある
「あんなの早く辞めさせなきゃだめですよ」
話を聞いていたのか一人で呑んでいた高齢男性が混ぜっ返してくる。聞けばギリギリ当選の共産党支持者ということで木下都議に反発するのはもっともな立場、しかし木下都議でなければ自民党のダブル当選だったかもしれない。
「しょうがないですよ、あんなのよりはマシですよ」
苦虫を噛み潰すが共産党支持者に自民党のほうがマシとまで言わせるほどに嫌われた木下都議、当たり前だが評判は散々だ。場所を移して板橋区役所前。
「悪い人には見えなかったんですけどね、わかっていればねえ」
都営三田線のエレベーターで二人組の女性に話を聞く。二人とも木下議員に入れたということでようやく正直に話してくれる人と出会った。かつての印象はよかったという。