国内

木下富美子都議辞職へ 選挙区である板橋の商店街まで「辞めろ」一色だった

1人会派「SDGs東京」の議員控室を出る木下富美子都議。11月9日(時事通信フォト)

1人会派「SDGs東京」の議員控室を出る木下富美子都議。11月9日(時事通信フォト)

 東京都議会議員選挙の期間中の無免許運転中に起こした交通事故で書類送検、さらに無免許運転を7回した罪で在宅起訴された木下富美子議員が、議員辞職を表明した。しかし11月9日に報道陣の前に立ったときの木下都議は、反省と謝罪を述べたがものの進退については「続けて欲しい、また力を貸して欲しいという声もあることも事実」と答えて辞めない意向を示していた。このときの発言は本当なのか、俳人で著作家の日野百草氏が、木下都議の選挙区である板橋区を歩き、その「続けて欲しい」声を探したレポートをお届けする。

 * * *
「私は投票してないよ、なにかあるだろうと思ってたからね」

 11月中旬、板橋区の大山商店街。グリーンホール(板橋区立文化会館)とコンビニ、郵便局のある小さな交差点で声をかけてみる。筆者の所属する俳句団体はこの板橋が拠点で知り合いも多い。もちろん内容は同区の東京都議会議員、都民ファーストの会(以下、都ファ)所属の木下富美子都議についてだ。

「でも入れた人は悪くないよ、だって騙されたんだから」

 まず近くのスーパーから歩いてきたおばあちゃんに話を聞く。古くから特定政党を支持しているとのことで都ファは端から眼中に無かったそうだが、木下都議に投票した人は悪くないという。

「あんな事件があったなんて知らなかったからね」

 あんな事件、とはもちろん無免許運転で人身事故を起こし逃走(不起訴)したことである。本当にとんでもない話だが、この高島平での事件が明るみに出たのは選挙後の話である。つまり免停中だった7月の選挙期間中の一連の事件を隠蔽して当選した。

「それをみんなが知ってたら当選してないよ、まったく落ちた人には迷惑な話だよ」

 迷惑というのは次点で落選した自民党、河野雄紀元都議のことだという。当選ラインにわずか約1000票差の落選ということで、木下都議の事件が最初からわかっていれば結果は違っていたかもしれない。

 おばあちゃんにお礼を言ってコンビニ前のおじさんに尋ねる。彼も木下都議には入れていないが怒っている様子。

「だって恥ずかしいよ、あんなので板橋が有名になっちゃうなんてさ」

 あんなの、という言い方もあんまりだが気持ちはわかる。さっきのおばあちゃんの言う通り、板橋区の有権者は騙された被害者のようなものだが当選させてしまったことは事実、まして木下都議は辞めることなくずっと居座っている。

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン