医療経済ジャーナリストの室井一辰さんは「安全性の問題はないでしょう」と語る。
「海外の臨床試験ではファイザー製とモデルナ製の交差接種が許容されており、臨床試験でもワクチンを変える危険性は報告されていません。同じワクチンを打つより免疫反応が少なく、多くの人が経験した副反応のつらさが軽減されるかもしれません」
血液内科医の中村幸嗣さんもこう指摘する。
「交差接種に問題はありません。ファイザー製からモデルナ製に変えた場合、抗体量が増えるとの報告もあります」
3回目こそ日本製を打ちたいとの声もあるが、開発はどうなっているのか。
「創薬ベンチャーのアンジェスが開発を進めたワクチンはファイザー製やモデルナ製と比べて効果が低く、最終段階の治験を断念。国産1号を期待されましたが、事実上、開発は振り出しに戻りました。現状は、シオノギ製薬とKMバイオロジクス、田辺三菱、第一三共のワクチンが最終段階に近く、来年の春頃に認可される可能性があります」(室井さん)
一石さんが続ける。
「安全性と有効性が確認されれば、日本製は追加接種の選択肢になるかもしれません。ただし3回目には間に合わず、4回目以降の可能性がある」
一方の上さんは消極的だ。
「政府は国産ワクチンの開発を急ぎますが、今後承認されたとしても、本当に効果が出るかは未知数です。ファイザー製やモデルナ製を準備しているので、3回目はどちらかをおすすめします」
3回目接種率もG7トップになれるよう、政府と自治体の迅速な行動が求められる。
※女性セブン2021年12月9日号