一方、深夜帯では、『ネタパレ』(フジテレビ系)、『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ~SOUDORI~』(TBS系)、『お笑い実力刃』(テレビ朝日系)、『そろそろ にちようチャップリン』(テレビ東京系)のような「普通のネタ番組」が放送中。つまりテレビマンの中には、「もはや『普通のネタ番組』が通用するのは深夜帯だけ」という感覚の人が増えているのです。
唯一の例外は、『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系)、『キングオブコント』、『R-1グランプリ』のような生放送の賞レース番組。これらのネタ番組が支持されているのは、たとえ「見たことがあるネタ」でも、ハラハラドキドキの緊張感は「普通ではない」ということでしょう。
芸人がネット上でネタを発信し、視聴者がそれを見るようになったことで、テレビのネタ番組に進化が求められているのは間違いありません。苦しいスタートとなった『ザ・ベストワン』も何らかのテコ入れがあるでしょうし、民放各局のテレビマンたちにとっては、ここからが腕の見せどころとも言えます。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。