長嶋監督が「選手にオーダーを決めさせた」1994年、巨人は「10.8決戦」を制して見事にセ・リーグ王者となった(時事通信フォト)
自分たちで決めた責任感もあってか、巨人打線は毎回の16安打を放ち、猛打を爆発させた。しかし、チャンスで打てず、3回のグラッデンのタイムリー二塁打、8回の桑田のタイムリー三塁打による4点止まりに。試合は2点リードの9回、抑えの石毛博史が四球から崩れ、同点に。延長12回に橋本清が1死満塁のピンチを迎え、最後は村田のパスボールでサヨナラ負けを喫した。
「長嶋監督は翌日も選手の考えたオーダーを採用して(1番から6番までは同じ、7番は元木大介、8番は大久保博元に代わる)、今度は7対1と大勝。連敗を4で止めました。負けた試合で辞めるのではなく、勝って終わった。ペナントレースを戦う上で、これは大きかったと思います」
2試合目は先発全員安打の19安打7得点と大爆発。1番・コトーが5安打2打点、7番・元木、8番・大久保がともに3安打と活躍した。翌日からは首脳陣の考える打順になり、川相は定位置の2番に戻ったが、1番・コトーはその後3試合継続された。
「新庄ビッグボスは就任後にインタビューで訪れたプロ野球OBに積極的に質問していたように、自分の発想だけでなく、選手のアイディアを吸収したいという思いもあるのでしょう。就任会見で良い意味で“カンピューター”という言葉を使ったように、長嶋監督と同じく普通では思い付かないような発想を持っている」
さまざまなプランを披露し、注目を集めていく新庄ビッグボス。来シーズンが今から楽しみだ。